★サイトを立ち上げたきっかけ★
(長文ですが、よかったら読んでみてください)


 学生時代、バイクでツーリングした北海道。

 車椅子生活になってからは、飛行機でも行ったことがなかったどころか、”旅”自体封印していた。

 ある日、部屋の掃除をしていると、”ツーリングマップル北海道1997(北海道バイクツーリングの定番本)”が出てきた。

 「北海道か〜、ライダーハウスに泊まって、タダの温泉入って、ウニ丼食べてのんびり旅したっけ」とぺらぺらとページをめくっているうちに、

 北海道北海道北海道・・、行ってみたいな北海道!と頭の中は北海道でいっぱいになった。

 もちろん、一人旅だ。しかし、、、車椅子で一人旅って可能なのか?

 普段から、車で通勤、日常生活は自立しているし、あと何が必要だ?やっぱり健康状態か。

 とりあえず、発熱の危険がある褥創は無くなったし、今なら旅立てるんじゃないのかと勝手に思った。

 2007年春のことだった。

 よしっ、今年の夏休みに北海道に行くぞ!と決めた。

 まず、ネットで”車椅子 北海道 一人旅”と入れて、検索してみる。

 しかし、、ほとんどヒットしない。

 バリアフリーのホテル、旅館の情報ばかりで、実際に車椅子の人が一人旅した旅行記、ブログ、HPは全然ない。。

 ”なんで??他にもいるだろ〜”

 検索単語を変え、検索エンジンを変えるが一向にヒットしない。

 たまに、車椅子で北海道を旅行した人のブログが引っ掛かるが、ほとんどが家族、夫婦といった2人以上の旅行記だった。

 ”おかしいな〜”と思いはじめた。

 まあ、旅行記はいいや。とりあえず、泊まるところを探してみようと思った。

 今度は”バリアフリー 宿泊 北海道 車椅子”で検索してみる。

 ホテル、旅館、ビジネスホテルといったそれなり宿泊料金を必要とするバリアフリー宿の情報は山のようにあったが、

 いわゆる貧乏旅向けの安宿(ライダーハウス、ユースホステル、とほ宿)の情報は全くと言っていいほど無かった。

 それでも、悪戦苦闘しながらネット検索を続けていると、ようやく、札幌国際ユースホステルに車椅子対応室があることが分かった。

 続けて、ふらのユースホステルが車椅子でも泊まれそうなことが分かった。

 よしっ、軌道に乗ってきたぞ。このまま宿がいくつか見つかればいいなと思った。

 しかし、その後検索を続けるも、上記の2ユースホステル以外に北海道内に車椅子で泊まれそうな安宿は結局見つからなかった。。

 北海道内にユースホステルは50軒近く、とほ宿は100件近くある。

 それなのに、対応可能な宿がわずか2軒とは少なすぎる。。

 条件とは、入口・施設内がバリアフリーで車椅子対応トイレがある。たったこれだけなのに・・・

 旅行日数を10日間ぐらいの期間でプランニングしていたので、最初の段階でつまづいてしまった。

 交通事故等で車椅子生活になった元ライダーがバイク時代に走った北海道を旅してみようと考える人は結構多いんじゃないか。

 しかし、皆、この宿問題でつまづき、そしてあきらめてしまうのではないだろうかと勝手に思った。

 この札幌国際YHとふらのYHの情報もようやく検索に引っ掛かったというのが実情で、ここまでなかなかたどり着かない。

 とりあえず、この2軒の宿泊を確保し、ほかは安宿以外にも条件を広げて探してみることにした。

 そうすると、バリアフリー対応のペンションとして美瑛のとぅもろうと弟子屈の風曜日、そして稚内のビジネスホテルが見つかった。

 宿を決め、コースを策定すると、次に立ちはだかるのが北海道への交通手段だ。

 九州へは関門海峡に橋がかかっているが、青森ー函館間に橋はない。青函トンネルも鉄道しか通れない。

 東京から飛行機で千歳まで行き、レンタカーという手が健常者なら一般的だ。

 車椅子の場合、手動装置付きのレンタカーもあるにはあるが、対応の車が限定されたり、

 羽田空港まで旅行荷物(バッグ3個はある)をどう持っていくかという問題もあったので、やはり 自分の車で北海道まで行くことにした。

 自分の車で乗り込むとなると、車はフェリーに乗せるしかない。

 フェリー・・か。学生時代は、青森まで一般道を走り、そこから函館へと渡ったのだが、さすがにいま、その体力はない。

 結果、仙台発苫小牧行きの太平洋フェリーと小樽発新潟行きの新日本海フェリーを利用することにした。

 もちろんほかにも、大洗発、八戸発、大間発があったのだが、ここでもバリアフリーの壁が高く立ちふさがり、

 車両甲板から船室への移動手段が階段もしくはエスカレーターの船がほとんどで、エレベーターがある船は非常に少ない。

 ここで気づいたのだが、フェリーにバイクを乗せるのと車を乗せるのでは料金がえらく異なることだった。

 バイクは手荷物扱いのため、自転車と同じ扱いだが、車は当然車輌として扱われるため、航送料金になるのだ。

 この青森ー函館間は距離が短いにもかかわらず、料金が割高な航路であり、何と神戸ー大分と同料金だった。

 宿、コース、フェリーがおおよそ決まった。あとは・・、もちろんグルメだ。

 あたふたとネット検索をしていると、ここにきて、車椅子使用の人で九州から京都・舞鶴港を経てフェリーで北海道上陸、道内をマイカーで旅した人のHPを見つけた。

 HPはデザインの素敵なサイトで、北九州在住の人みたいだ。詳細な旅行記が書かれており、リンクも充実していた。

 出発まであまり日数がなかったが、わらにもすがる思いでメールを出してみたところ、早速、丁寧な返事が返ってきた。

 その結果、隠れたグルメ情報のほか、多くのバリアフリー情報を頂くことができ、出発前に大きな力となった。

 このHPの方とは現在でも交流があり、北海道車椅子一人旅の師匠とも言える人である。

 

 そして、出発。。

 

 あれから3年。。2007、2009、2010年と3回、北海道を旅した。(2008年は九州)

 いずれも、車椅子一人旅。

 できます。行けます。何とかなります(笑)

 私の障害レベル(脊損5番)で大丈夫なんだから、もっと可能性が広がる人は多いと思います。

 このHPには、あえて旅行記は載せません。

 旅の計画は自分で立てるもの。特に車椅子一人旅の場合はコース策定だけで一苦労。

 人のコースを参考に立ててもいいけど、一から作ってみたほうが、反省にもなるし、次につながる気がします。

 旅は、計画を立ててるときが一番楽しい。旅の目的・スタイルは人それぞれ。

 私みたいにグルメonlyの旅もよし、観光地をめぐる旅でもよし、何でもいいと思います。

 ぜひ素敵なコース・計画を自分で立てて、旅立ってほしいです。

 このサイトは車椅子一人旅の応援をして、その情報を共有する場所になれたらいいな〜と思っています。

 

 で、ここが本題なのですが、どうして今になってホームページを立ち上げようと思ったのか!

 (すいません、まだまだ長くなりそうなので、この辺でトップページに戻ってもらっても構いません〜)

 最初の方にも書きましたが、北海道以外にも旅に出かけているのですが、車椅子の旅人というのが非常に少ないのです。

 北海道を3回旅して、宿泊先や食事処ほかにおいて、たった一度も車椅子の旅人(一人旅)と出会ったことがないのです。

 あれだけ、車椅子バスケ、マラソン、テニスする人いっぱいいるのにね・・。

 実際、どのくらい車椅子一人旅がいるのかと宿のオーナーにたずねたところ、

 ふらのYH「全くの1人で来るのは、年間通して2,3人かな」

 札幌国際YH「身障者室の利用率は高い。ただ、単独(1人)で泊まる人は1年間で1人いるかいないか。皆介助者と一緒」

 ユースゲストハウスアトマ「 1年で1人来るか来ないか。ハンディキャップ室を利用する車椅子の方が年間10人程度。介助者なしは珍しい」

 だそうです。ということは、非常に少ないが日本国内にいることはいるということだと思います。

 車椅子一人旅が増えない原因はハードにも問題があると思っています。

 ある宿のオーナーに話を聞くと、バリアフリー化は金がかかる。大きなホテルや旅館なら1室くらいバリアフリー室を作るのは造作ないことだが、

 小規模な安宿でそれをやろうとすると、スペースを削らざるを得ないため、収益上苦しくなってくる。

 そうなると、めったにこない車椅子、障害者の旅人のために、そこまでする必要はないという結論にたどりつくのだそうだ。

 「需要がないんだから、供給も増えないんだよ」と別の宿で、はっきり言われたこともあります。

 だったら、需要(車椅子の一人旅)を増やそうじゃないかと思ったのです。

 全国にごくごく少数いる車椅子の旅人、旅に出る前にあきらめてしまった車椅子の旅人。

 そして、星の数ほどホームページがある中、このサイトをみつけてくれた幸運(?)な貴方!

 この3つの集合体をあわせれば、バリアフリーの安宿が増えるかもしれない。。ほとんど妄想ですね(笑)

 次は、、情報の共有を図ること。

 現在は、全国に散らばっている非常に数少ない車椅子の旅人がそれぞれの旅情報を保有し、その中でさらにわずかな旅人が、

 ホームページを立ち上げ、情報を発信しているのが現状です。だから、検索してもなかなか欲しい情報にたどりつかない。

 それならば、、と、このサイトを車椅子一人旅のポータルサイトにして、情報を発信しつつ、掲示板等で情報を共有できないかと考えました。

 果たして、今後立ち上げる掲示板にどれだけの情報が集まるのか分かりませんが、とりあえずしばらく実験してみたいと思います。

 

 20××年、北海道へのフェリー乗り場で、車椅子一人旅同士が

 「明日はどこ泊まるの?」、「まだ、予約してないけど、、、ふらのYHかくまさん荘かな〜、そうそう苫小牧に新しい宿見つけたんだよ」

 な〜んて、会話ができる日がきてたらいいな〜と思っています。またまた、巨大妄想です。。

 すいません、長くなりましたので、このへんで。

 ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました!ホームページもじっくりご覧ください。

 

 最後に、、サイトを立ち上げたのはどんな奴なんだというと、、

 昨年泊まった北海道の山の中にある”バリアフリーのくまさん荘”のブログで紹介されてしまったのでよかったら見てみてください。

 ブログはこちら→ http://blogs.yahoo.co.jp/yama58kuma3/50887212.html (後ろ姿で本当によかった。。)    

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当サイト管理人 プロフィール
生まれ 1974年
住まい 東京都
障 害 脊髄損傷(胸椎5番)
車椅子 オーエックス MX
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